パッケージプランでは物足りない。オリジナルの旅を楽しみたい。そんな個人旅行者の増加を反映して、ガイドブックも様変わりしている。
今年7月に昭文社から創刊された「トラベルデイズ」は、休暇を利用し短期集中で自分らしい旅行を楽しみたい働く男女がターゲットだ。
「人気のある都市をピックアップし、その町の文化や歴史的背景、美術品・建築物の解説などを充実させた。『パスポートの取り方』のような当たり前の情報は省いて、『現地でのATMの使い方』など向こうですぐに使える情報や、モデルルートの提案に力を入れている」(出版編集部部長の前家修二氏)
4年前に同社から創刊され、高い人気を得ているコンパクトな女性向けガイドブック「ことりっぷ」シリーズとも、都市情報を幅広く網羅しているダイヤモンド・ビッグ社の「地球の歩き方」とも違う。範囲を絞ったうえでの「濃くて深い」情報が持ち味だ。刊行点数は現在12点。出足は順調で、特に「ホノルル」編や「パリ」「イタリア」などヨーロッパ編の動きがいいという。
「カバーをはずすと、洋書風の表紙なのもいいですね。情報も新しいし、地図への信頼性も高いのでは」(丸善本店和書グループの半田純一氏)
「トラベルデイズ」は、収録されたQRコードからガイドブックの情報をダウンロードし、スマホで利用できる地図アプリ「マップルリンク」も搭載。行きたい場所を登録すると、目的地や自分の位置をスマホで確認できる。
「GPSの位置情報をオンにしておけば、海外で通信料を気にせずに安心して情報を閲覧できるのは非常に便利。スマホで旅先の情報を得るという個人旅行者はますます増えそうですね」と旅行ジャーナリストの村田和子氏。
ガイドブックもスマホとの連携なくしては生き残れない!?