好みの色や柄の表紙、中にとじる紙やリングを選び、ゴム留めやボタン留めをつけて、自分だけの一冊に仕上げてもらう。こんなオリジナルのリングノート作りを楽しむ人が急増中だ。
文房具のセレクトショップ「カキモリ」で作れるノートは、B5とB6サイズの縦横、計4種類。表と裏表紙用には、さまざまな質感や色、柄の紙が60種類、中の紙は30種類用意されている。5色のリング、13色のゴム留めなど、トータルで数百万もの組み合わせが可能だ。費用は1冊660~4000円と幅があるが、平均は1500円。最初の1冊は可愛い柄や派手な色の表紙で仕上げる人が多いという。
「特別な一冊という意識が働くようです。ただし2冊目以降はシンプルにまとめる傾向が強くなる。一度作ると普段から使いたくなり、より実用性を追求するのでしょう」(店主の広瀬琢磨氏)
三省堂本店も「神保町 選べる帳(ノート)」を4月からスタートした。スケジュール帳や原稿用紙、ドット、方眼、日本地図や世界地図など、100種類もの図柄や罫線を選んで、中の紙に印刷できる。価格は1100円。「地図はお客様のリクエストで実現しました。開始以来、順調に推移し、いまは1日平均10冊のオーダーがあります」(新業態事業室主任の関和一樹氏)。
カキモリのオリジナルノートの売り上げも前年比2桁増を記録。季節ごとに色を変えるという上級者も増えてきた。スマホユーザーが多いのも特徴だ。
「スケジュール管理はスマホで行い、アイデアはノートに記すという方が多い。アイデアやメモをまとめる便利なアプリはたくさんあるが、手書きのほうがアイデアが浮かんだときの感覚を思い出しやすいのでは」と広瀬氏。こだわり抜いた自分だけの1冊とスマホとの賢い使い分けが進んでいる。