スカイプを一言で説明すると、「無料で話せるインターネット電話」となるだろう。有料になる場合もあるが、それは後述する。
利用の際には、パソコンにインストールしたスカイプのアプリケーションを立ち上げて、イヤホンとマイクのヘッドセットを付け、オンラインでアクセスしてきた相手と会話する。スカイプ同士の通話であれば、国内はもちろん国際通話も無料で、通話品質も安定している。ウェブカメラを使えばリアルタイムの映像がモニターに映し出されるので、テレビ電話のようにお互いの顔を見ながら話すことも可能だ。
人材紹介会社を経営する南壮一郎氏は、友人の勧めで7、8年前からスカイプを使い始めた。小中学校をカナダ、大学時代をアメリカで過ごし、各国に友人を持つ南氏には、料金を気にせず国際通話ができるのは大きな魅力だという。
「スカイプは操作がやさしく電話以上に便利な機能もあります。それで無料なのだから、使わない理由が見当たらない」と南氏。電話のように相手を呼び出す機能はないが、自分がソフトを立ち上げたとき、同じようにスタンバイしている仲間がいれば、画面上に表示されるのですぐに通話ができる。
もちろん、最初に電話をして相手を呼び出した後、スカイプに切り替えてもいい。スカイプから固定電話や携帯電話につなぐ場合は料金が発生するが、それでも電話同士の通話料より安上がりだ。また複数人の同時通話は通常十人まで無料だが、オプションで通話可能人数を追加すると、その分には料金が加算される。
このように各種のオプションに課金し、そこで収益を得るのがスカイプのビジネスモデルである。集中管理の必要がないPtoP技術の応用で、インフラも既存の回線を使うため、投資額は極めて少ない。そのためユーザー数が増えれば、基本通話を無料化してもオプション料金だけでビジネスが成立する仕組みだ。
ユーザー側の初期費用もわずかで、スカイプの公式サイトからダウンロードできるアプリケーションは無料。通話に使うヘッドセットは市販品が1000円ほどで購入できる。ウェブカメラはパソコンに付属している場合もあるが、市販品でも2000~3000円ほど。
「スカイプのメリットを享受するには、自分だけでなく通話の相手にも加入してもらったほうがよいのです。費用がほとんどかからないので、友人にも勧めやすいんです。最初はなるべく大勢の仲間と始めるか、家族のコミュニケーションに使えば早く慣れるのではないでしょうか。単身赴任や出張中に家族と連絡をとったり、あるいは遠方にいる祖父母に孫の顔を見せるなど、楽しく使えると思いますよ」