日本ヒューレット・パッカードで法人営業を担当している市川泰章さんは、帰宅するとミクシィのソーシャルゲームアプリ「サンシャイン牧場」にアクセスし、バーチャルな農作業に精を出す。

市川泰章●日本HP金融営業統括本部。1977年、山口県生まれ。大阪大学基礎工学部卒。日本HPに入社し、以来証券会社をはじめとした金融業界の顧客を担当。「空間を超えて友達と遊べる」のがかつてのゲームとの違い。

「周囲のビジネスマンはけっこうやっていますね。久しぶりに大学の同期と会ったときも、『どうやって経験値を稼いでいるんだよ』と、いい話のネタになりました」(市川さん)

サンシャイン牧場とは、自分の畑に作物を植え、牧場で家畜を飼い、成熟したら収穫して売却するプロセスを繰り返す育成シミュレーションゲームである。作物や家畜は時間の経過につれ自然に成長し、その過程で害虫の発生や水不足に見舞われると収穫量が減少するが、害虫退治や水やりをすると収穫量がアップする。

育成を繰り返すうちに経験値が与えられ、一定の値をクリアすると段階的にレベルアップしていく。

このシンプルなゲームに市川さんがはまっている理由は、ミクシィ上の友人であるマイミク同士で気軽に交流できる機能にある。

「友達の畑に行って水やりをしたり、逆にいたずらして畑に虫を入れたりできるんです。たとえば主婦の友人が昼間に畑の手入れをしてくれて、逆に向こうが寝ている時間に私が世話してあげるといった形で、友人とやり取りができます」

市川さんのマイミクは学生時代の友人や会社の先輩・後輩など35人。そのうち24人がサンシャイン牧場に登録している。