「投票したい候補者がいない」場合でも選挙に行くべきか
選挙に行かない若者の中には、「投票したい候補者がいない」ということを理由にする人が多い。
著者としてもその気持ちは非常によくわかる。与党は利権のしがらみでがんじがらめになっており、野党は頼りなさすぎて危なっかしい。
しかし、だからといって投票に行かなければ、日本の政治レベルは下がっていく。
投票率が低くなると業界団体、宗教団体などの「組織票」の力が大きくなる。そうなると、政治家は、有権者全体のことよりも、業界団体や宗教団体のほうを向いた政治を行うようになる。そういう政治が行き着いた先が、いまの日本だと言えるのだ。
若者の投票率が低ければ、当然、政治は若者のほうを向かなくなる。子育て世代の投票率が3割台となれば、子育て政策がなおざりにされてしまうのが、いまの政治システムなのである。
食指の動かない候補者リストでも、どうにかして自分の意思に近い人を選びだし、一票を投じ、投票率を上昇させれば、政治家も有権者全体のほうを向かざるをえなくなるのだ。
それが日本の将来を明るくするために、われわれがしなければならない第一歩なのである。