高等教育に国がお金を出してくれない

図表2は、高等教育費(義務教育以上の教育費)に国や自治体がどれだけ費用の負担をしているのかの割合である。

日本はOECD33カ国の中でワースト2位であり、高等教育費の32%しか財政による支出はされていないのだ。

OECDの平均が66%なので、なんと半分以下である。

【図表2】高等教育費の財政負担率(2015年、OECD33カ国)
出所=『日本の絶望ランキング集』(中公新書ラクレ)

またイギリスやアメリカをはじめ欧米の場合、寄付の文化があり、大学などの高等教育機関に寄せられる寄付金も多い。しかも、キリスト教など宗教団体が、大学などを運営しているケースも非常に多い。そのため純然たる家計による支出は、かなり抑えられているのだ。

日本の場合、寄付の文化もなく、宗教団体運営の大学なども少ないので、国が負担しなければすぐさま家計による支出の増大に結びつく。

日本の大学進学率が低いことを前述したが、その要因の一つにこの公的負担の少なさが挙げられるのだ。