ギリシャ神話には「ぶっ飛んだエピソード」が数多く登場する。新刊『ぶっ飛びまくるゼウスたち』(実業之日本社)から、「横暴な理由で下級の神を殺したアポロン」のエピソードを紹介しよう――。

※本稿は、こざきゆう、真山知幸(著)、庄子大亮(監修)『ぶっ飛びまくるゼウスたち』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

アポロ像
写真=iStock.com/LordRunar
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ゼウスの頭部を割ったら生まれてきた戦いの女神

戦いの女神・アテナは、最高神・ゼウスに愛されまくりの娘。だけど、それはアテナがゼウスのたくさんの子の中でも、超優等生の女神ってことだけが理由ではない。アテナの“生みの母”がゼウス自身だからだ。

「ゼウス、男だよね? 何を言ってんの?」ってなるだろうから、くわしく見てみよう。

まず、知恵の女神・メティスはゼウスの赤ちゃんを妊娠していた。これをゼウスはこわがった。「生まれてくる子が、あなたの地位をうばう」と予言されていたからだ。

そうなってはたまらん、とゼウスがとった行動がスゴい。メティスをゴクン! 飲みこんだのだ!

でもこれ、取りこんで一体化したみたいなことで、メティスはゼウスの中で生き続けた。そんなん、あり? さらにメティスのお腹の赤ちゃんは、ゼウスの中ですくすく成長。大きく育ってくると、ゼウスは激しい頭痛を感じた。で。頭を割ってみた(え? 雑すぎん?)結果、出てきたのが完全武装したアテナだった、ってわけ。つまり父・ゼウスは母・ゼウスでもあったってことだ。何でもありだな。

そんなぶっ飛んだ生まれの女神は、その後もぶっ飛ぶ!