大阪の一地域政党にすぎない大阪維新の会に永田町が振り回されている。
橋下徹大阪市長率いる同会は、9月中旬に新党を結成し、いよいよ中央政界に殴り込みをかけるが、既成政党の右往左往ぶりを見ると、すでに政界は維新に制圧されたも同然だ。(※雑誌掲載当時)
「次期総選挙で維新の獲得議席は最低でも100議席。自民党を抜いて比較第一党もありうる情勢」(自民党選対関係者)
もし第一党になれば橋下総理誕生も夢ではないが、たとえ自民党に次ぐ第二党の場合でも、自民党と公明党だけでは過半数は難しく、橋下新党が連立入りするのはほぼ確実。「橋下新党から最低でも2人、恐らく5人ほど閣僚を出すことになるだろう」(全国紙政治部長経験者)という気の早い予想もある。
だが橋下氏は現職の市長。今のところ総選挙に出馬せず、市長に留まるとしている。そうなると首相はおろか入閣もできず、連立交渉や党運営の統括も難しい。
そこで注目されているのが橋下党首に次ぐ新党No.2の幹事長に誰が就任するか。幹事長は橋下氏の名代として党を束ねると同時に、他党との連立交渉を行う重要なポスト。来年の参院選の準備も大事な仕事だ。
「当初、維新側はみんなの党との連携を模索しており、幹事長はみんなの党からと考えていたが、既成政党と組むのは得策ではないとして連携を解消した。そのため、現在の幹事長の松井一郎大阪府知事が続投する方針。大阪市特別顧問の中田宏前横浜市長がやる気満々だったが大阪中心を変えたくなかった。党本部も東京でなく大阪に置く」(維新関係者)
だが党首も幹事長も大阪にいて、しかも2人とも首長兼務。それで国会対応ができるのか。先の関係者によると、新党に加わる国会議員に国会対応を任せ、党首会談は橋下氏が上京するとのこと。
「本来なら全国的知名度があり、行政経験と自民党とのパイプがある東国原英夫前宮崎県知事を幹事長に据えるべき。橋下氏に加え、東国原氏が幹事長として全国行脚すれば茶の間の話題を独占できるのは間違いない。大阪府議、市議らの反発を恐れ“外様”を登用できないのだろう」(前出政治部長経験者)