「Twitterの閲覧制限」が話題を集めている。ツイートを十分に読み込めなくなったことで、一部のヘビーユーザーはほかのサービスに移りつつある。成蹊大学客員教授の高橋暁子さんは「過去最大の“改悪”でユーザーは混乱に陥っている。近くSNS業界の勢力図が変わるかもしれない」という――。
米実業家イーロン・マスク氏(左)とツイッターのロゴ
写真=AFP/時事通信フォト
米実業家イーロン・マスク氏(左)とツイッターのロゴ

ツイートのきつい閲覧数制限に大混乱

きっかけは、7月2日に投稿されたイーロン・マスク氏の「極度のデータスクレイピングとシステム操作に対処するため、一時的な制限をする」というツイートだった。認証済みアカウントは1日あたり6000件まで、未認証アカウントが600件まで、作成されたばかりの未認証アカウントが300件まで、ツイートを閲覧可能とするというものだ。

実際、ツイッター上では1日から、突然タイムラインやトレンドが閲覧できなくなる不具合が発生していた。その後二度に渡って制限は緩和され、認証済みアカウントは1日あたり1万件まで、未認証アカウントは1日1000件まで、作成されたばかりの未認証アカウントは1日500件までとなった。制限は24時間でリセットされる仕組みのようだが、執筆時点でまだ解除される様子はない。

ツイートが十分に読めないTwitterに意味はないし、利用頻度や依存度が高い「ツイッター廃人」、いわゆる「ツイ廃」ならばあっという間に制限される数字だ。しかも、有料の認証済みアカウントでも制限されてしまうのだ。

この影響はかなり大きく、いつまでなのかも明言されない突然の制限に、「Twitter終了」「API規制」などがトレンド入りする事態となった。

せっかくの最終回キャンペーンに水を差した

制限が発表された7月2日は、話題のテレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の最終回放送日。最終回に合わせて、番組公式アカウントはTwitterハッシュタグに主人公スレッタの絵文字が期間限定で表示されるキャンペーンを行っていた。

Twitterハッシュタグキャンペーンは2500万円かかると言われており、最終回の日に制限がかかったことを残念がる声も多かった。このようにTwitter上でキャンペーンを行っていた企業がいたにも関わらず、無断でこのような制限を強行することは非常識だし、クライアント離れを呼ぶ可能性もある。