「過剰な善意」がもたらす生きづらさ

愛に溢れた家庭のイメージは、もともと「これからはこうしましょう」「これが理想ですよ」と、啓蒙のために上から押しつけられたものだったと言える。

鶴見済『人間関係を半分降りる 気楽なつながりの作り方』(筑摩書房)
鶴見済『人間関係を半分降りる 気楽なつながりの作り方』(筑摩書房)

もちろんそれまでの厳しい親子関係よりは、団欒のほうがマシだろう。他の素晴らしいイメージにしても、言われはじめた時点では、そんなものだったのではないか。

けれどもそれがいったん啓蒙運動の波に乗ってしまうと、もう十分となってもなかなか止まらない。それがすでに人を傷つけていても、気づかず広め続けられる。そんなところではないかと睨んでいる。

こういうものは明確な悪ではないので、否定するのもなかなか難しい。けれどもこれからはこんな「過剰な善意」がひき起こす生きづらさも、十分考えなければいけない。

※1『超ソロ社会』荒川和久、PHP研究所
※2 2018年の世界銀行の統計に台湾のデータを追加した
※3『社会学入門』見田宗介、岩波書店
※4『よくわかる家族心理学』柏木惠子編著、ミネルヴァ書房
※5『よくわかる現代家族第二版』神原文子他編著、ミネルヴァ書房
※6『宮城学院女子大学生活環境科学研究所研究報告』44巻(2012年)

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