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北朝鮮最高指導者夫人 李雪主(リ・ソルジュ)
1989年生まれ。北朝鮮東岸の町の清津(チョンジン)市出身。金星第二高等中学校を卒業。身長164cm。2010年に娘を生んだ。現在、ファーストレディとして露出する一方で、牡丹峰楽団員にも所属。


 

金正恩第一書記の腕に腕をからませるショートカットの美女。7月25日、北朝鮮中央テレビはその女性が「敬愛する金正恩元帥の夫人、李雪主同志」であることを伝えた。

遊園地の竣工式に彼女を伴って現れた正恩氏は、北朝鮮の独裁者と思えぬにやけ顔。この後も夫人の姿はメディアでアピールされ続けた。「遊園地デート」が愛妻を見せびらかすだけのパフォーマンスでなかったことは確かだ。西側風ファーストレディ然とした妻の存在を誇示することで、若造イメージを払拭し、新しい開明的指導者像を確立。夫人を公開しなかった父・金正日氏との差を際立たせ、北朝鮮の変化を伝えようとしたと見られている。

李雪主夫人は、父は大学教員、母は婦人科医というインテリ家庭に誕生。幼少から芸術団員として選抜され、中国に留学し声学を学んだ後、プロ歌手となった。少女時代からその容姿と歌声で、国家の宣伝塔としての役割を担い、日本や韓国に少年芸術団員として訪問した実績も。そんな彼女が、年上の歌手と熱烈恋愛しながらも正日氏に別れさせられた傷心の正恩氏を癒やすべく妻となったのは2009年。金日成総合大学でファーストレディ教育も受けた嫁は正日氏にも気に入られた。

しかし、彼女に対する人民の目は厳しい。軍部視察に同行したときに彼女が持っていたバッグは北朝鮮工場労働者の月給の16倍以上するクリスチャン・ディオール。餓えで苦しむ人民がいることも知らないかのような無邪気な笑顔を「喪中のダンス」という例えで非難する声も。

独裁国家において、指導者の妻は「国母」として体制の安定を左右する。しかし、今の彼女は傾国の美女(君主が心を奪われて国を傾ける美人)の危うさを漂わせていないだろうか。

(PANA=写真)
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