「自分の持ち方」がマイナスにあらわれると

では、なぜ「ついつい意固地になってしまう」のでしょうか。

それは、あまりに自分を強く持ち過ぎると、自分と異なる意見や価値観を受け入れるのが難しくなってしまうからです。

そうなれば、自分の意見は「通るのか」「通らないのか」という、非常に視野の狭い考え方をしてしまうことになります。本来であれば、相手の反対意見も受け入れてよりよい方向を探るといったことも可能なはずです。

もし自分が相手より上の立場にいれば、意見を無理やり押し通すこともできるかもしれません。しかし、逆の立場であれば、そうはいきません。自分の意見は通らず、そのやり方で怒った相手とのギクシャクした関係だけが残ってしまうことになりかねないのです。

最も自信がある部分を改めて提案して議論する

「自分の持ち方」がプラスにあらわれると

ではどうすれば、自分の持ち方をプラスの出方にすることができるのでしょうか。

反対の意見に対して、それでも自分の意見を全部通そうとするからうまくいかなくなるのです。

安田正『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』(三笠書房)
安田正『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』(三笠書房)

マイナスからプラスへの変身のコツは「全部ではなく、一部だけを議論する」ことです。

そんなとき、次のように言ってみてはどうでしょうか。

「まず、この点だけを議論させてください」
「この部分は、私の提案の方向性ではいかがでしょうか」

ここで、自分の意見の中でも、最も自信がある部分を改めて提案するようにします。こうすることで、次の段階へ進むモードへと移ることができます。こちらが一歩譲歩する構えを見せたぶん、相手も考え直す可能性が出てくることでしょう。

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