※本稿は、五百田達成『感じのいい人、悪い人 人間関係がうまくいく「話す技術」』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
謙虚な「生徒」になりきってしまう
雑談では「とにかく会話のラリーを続けること」が大切です。
話が続くこと自体が「この人と話をしていると心地よい」「感じがよくて気が合いそうだ」という印象にもつながります。
ただ、そうは言っても、なんの話をしたらよいか迷ってしまう場面はあるはず。そんなとき、覚えておくと便利な“切り札”をいくつかご紹介します。
1.「教えてもらう」スタンス
「親しくない上司」「久しぶりに会った義理の両親」「顔と名前ぐらいしかわからない親戚の子ども」など、距離が微妙に遠い相手とのやりとりには「教えてもらう」というスタンスが役立ちます。
・義母が話し始めたら「詳しくないんですよ。教えてもらえますか」と話を振る
・子どもが描いている絵を見て「何を描いているの?」と教わる
このように謙虚な「生徒」になりきって、相手の得意ジャンルについて教えてもらうと、相手としては
・知識が披露でき、承認欲求が満たされるのでうれしい
・性格やパーソナルな部分を伝えられる
と、いいことづくめな状態になります。
「天気」や「ニュース」の話はやめたほうがいい
ひとしきり語ってもらったら「ありがとうございました。チェックしてみますね」「勉強になりました。ありがとう」と感謝を伝えると、話を切り上げやすくなります。
そもそも、こういう微妙な関係性だと、相手も何をどこまで話したらいいものか気まずく思っているものです。意図的に「先生と生徒」という関係を作ってしまえば、お互いがラクになります。
2.ビデオトーク
文字通り、ビデオで映し出すかのように、目についたものを話題にしていきます。机、時計、置き物、相手の髪型、服装、書類、イス、メニュー……。そうすると、天気やニュースといった「時事ネタ」を話すのに比べて
・話に詰まってもほかの話題に展開しやすい
・モノをさわったりして、間を持たせやすい
といった効果が得られ、お互い気まずさが減ります。とりわけ、タクシーの車内では、車窓から見えるものを次々と話題にしていけば、会話のラリーは続きやすくなります。