米国のシリコンバレーバンク破綻の余波が続いている。経営コンサルタントの小宮一慶さんは「現在は小康状態ですが、金融危機の恐怖からは完全に脱してはいません。どの銀行でも取り付け騒ぎが起き急激に預金が引き下ろされると破綻する可能性があります。ひとつ破綻すると“次探し”が起こり、次々と銀行が連鎖破綻する金融危機の恐れがある」という――。
忍び寄る金融危機の影
米国のシリコンバレーバンクの破綻にはじまり、それがスイス大手のクレディスイスに飛び火し、米国や欧州の銀行株が大きく値を下げました。
いまは小康状態ですが、金融危機の恐怖からは完全に逃れられてはいません。各国中央銀行は破綻銀行の預金保護やドル資金の大量放出など、危機回避に懸命です。
金融危機の可能性が取りざたされています。金融関係者以外には見えにくい世界ですが、銀行は思ったほど資金を保有していないため、どの銀行でも急激に預金が引き下ろされると破綻する可能性があります。銀行の破綻が起こると「次探し」が起こり、次々と銀行が破綻する金融危機が引き起こされる可能性があります。今回は、そうした状況を詳しく見ていきます。