いまの「70歳」は、昔で言えば「50歳」

日本人の「心理年齢」は、20歳も若返っている――。

このことは、実感として理解できるという人も、多いのではないでしょうか。

たとえば、いまのあなたが、65歳とします。

そして、同年齢だった頃のご両親と、いまの自分を比べてみると、いかがでしょうか。明らかにいまの自分のほうが肉体的にも精神的にも見た目も、若く感じるのではないでしょうか。

また、1960年代は、会社員の定年は55歳でした。おそらく55歳を過ぎると、出社して働くのは肉体的にも精神的にもキツいという人が少なくなかったのでしょう。いまはどうでしょうか。

「60歳定年」は制度上の建前みたいなもので、実際、65歳まで働ける職場が増えています。つまり、60歳を過ぎても、出社して働くのはさほどキツくないという人が増えているのではないでしょうか。

実際、「70歳になっても、現役」という人はいくらでもいます。

明らかに日本人の「心理年齢」も「肉体年齢」も若くなっているのです。

元気にゴルフをするシニア男性
写真=iStock.com/miya227
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いまの「70歳」と昔の「70歳」とでは、明らかに違います。

いまの「70歳」は、昔で言えば「50歳」。

かつての「40代」は、いまで言えば「60代」ということになります。

実際、現実の感覚として、70歳ぐらいなら「まだ働ける」「仕事があるなら働きたい」と思う人が大勢います。

「70代の重要性」に気づくと、元気が出ます

団塊の世代である70代は、現時点で「最大の消費層」になっています。

その意味では、団塊の世代のニーズを的確に汲み取れる人材は、いまの世の中では、当然、必要とされるはずです。つまり、いまの70代は、その気にさえなれば、現役として「社会の一線」に立つことさえできるわけです。

「70代」がそのような重要な世代であるということに、気づいているか、気づいていないかの違いは、とても大きいと思います。

「70代」の重要性に気づいている人であれば、「70代になったら出しゃばらないほうがいい」などとは考えないでしょう。私に言わせれば、そのような考え方は、高度経済成長前、70年も昔の人生観にしがみついているようなものです。

まして60代なんて、かつての40代でしかありません。1950年であれば、40代はまさに、社会のリーダー世代。日本人の平均年齢が20代の時代に、その若い20代を引っ張っていたのが、40代なのです。

いまのあなたの実年齢から20歳引けば、何歳になりますか?

その年齢が実感からほど遠いものだったとしても、気持ちは動くと思います。

「自分から老け込んでいる場合じゃない」「もうちょっと活躍してみたい」と感じるのではないでしょうか。

その気分こそ、70歳からの「元気の素」でもあるのです。