日本が前進するには何が必要か。元大阪市長の橋下徹さんは「今の地位にこだわる傾向は多くの産業にあるが、明治維新から実に150年続く権力機構・行政機構はもう機能しない。既得権益層と戦い、打ち勝ち、改革するのが政治家の役割だ」という――。
※本稿は、橋下徹『日本再起動』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
日本の「前進」を妨げてきたもの
長年政権を担ってきた与党自民党が、どうしても乗り越えられなかったことがあります。次の3つです。
1 今の地位へのこだわり
2 既得権益
3 国民からの批判に対する恐れ
2 既得権益
3 国民からの批判に対する恐れ
自民党はこれらに縛られて、閉塞感を打ち破って日本を前進させる大きな政治決定ができずに今に至ります。
長期間にわたって現在の体制を築いてきた政権与党・自民党には、体制変更に匹敵するような政治決定に挑むことはできないでしょう。現在の体制を守ることが自民党の役割でもあるので、体制変更に対するすさまじい反対の声を押し切ることは難しいからです。
であれば、野党の役割は、現在の体制に守られている既得権益層と激しい政治闘争を繰り広げてでも、現体制の改革に挑むことです。
そして、野党に刺激を受けた与党自民党が、野党に転落しないために重い腰を上げざるを得ない政治状況をつくることが理想です。
では、与野党が切磋琢磨しながら、挑んでいかなければならない政治課題とはどういうものなのか。本稿では「今の地位へのこだわり」について、どう取り組んでいくべきかについて考えていきましょう。