「『これを我慢しないと売れないから』と」

「ジャニー喜多川氏は死んでもメディアや警察に守られている」

イギリスの公共放送BBCのチャンネル「BBC Two」が3月7日午後9時(現地時間)のゴールデンタイムに放送した、『Predator:The Secret Scandal of J-Pop(プレデター Jポップの秘密のスキャンダル)』の中でレポーターはこういった。

BBC番組公式ページキャプチャ
画像=BBC番組公式ページキャプチャ

プレデターというのは「捕食者」、「(金銭的または性的に)人を食いものにするやつ」(『新英和中辞典』、研究社)の意味である。

ここで名指しされている人物は2019年に死去したジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏(享年87)。

「ジャニーズのアイドルがメディアを席巻し、街を歩けば、至るところに、グッズ、広告などあらゆる姿で存在している様子を映し出す。そして、レポーターはこう切り出した。

〈しかし、何十年もの間、ジャニー喜多川にはある疑惑がつきまとっていました。事務所に所属する少年たちに、性的虐待を加えていたという疑惑です〉」(『週刊文春』3月16日号)

番組には被害を受けた元ジャニーズJr.の男性3人が、顔を出して登場している。

画面いっぱいに映る黒ぶち眼鏡にマスク姿の男性。うつむきながらこう声を絞り出している。

「戻ってきた時には多分、顔は……。(声を詰まらせて)ちょっとごめんなさい。(顔は)おかしかったと思うので。皆には夢が壊れたとか、そんな感じで言って、その後に何人かが、『これを我慢しないと売れないから』と」(同)

風呂場で上着を脱がされ、ズボンに手がかかり…

この男性は30年以上前にジュニアだったハヤシ氏(仮名)で、彼は15歳の時にオーディションに合格したという。

「初めてのレッスンの日、“合宿所”と呼ばれるジャニー氏の自宅マンションに招かれた。

そこで他のジュニアたちと遊んでいると、ジャニー氏から、『お風呂に入っておいでよ』と声がかかったという。

風呂場に行くと、ジャニー氏がバスタブにお湯を張ってくれた。

『上着を脱がせてくれて、そこまではまだ親切だなと思っていたんですが、ズボンに手がかかって、自分で脱げますと言ったときに、無言だったんですね。それがすごい恐怖心で。そのまんま何もできず、ズボン脱がされ、パンツ脱がされ、靴下脱がされ。ジャニーさんはお風呂に入らない、洋服も着てますけど。僕一人お風呂に入れられて全身洗われて、お人形さんみたいに』

その夜、ハヤシ氏はジャニー氏に夜通しマッサージをされたという。別の日にはジャニー氏から、『口でされた』とも明かした」(同)

ハヤシ氏はインタビューの最後にこういった。

「売れてる人に限っては、ジャニーさんのおかげで、入った瞬間から人生が変わっていると思うので、感謝の気持ちは皆さん一杯あると思うんですけど。感謝の気持ちと、性犯罪は別なんだと思うんです」