仕事のデキる人の共通点は何か。元マッキンゼーでエグゼクティブコーチの大嶋祥誉さんは「マッキンゼーで出会った優秀なビジネスパーソンは、みな感情コントロールの達人だった。どんなに多忙であっても、焦ったりイライラすることなく、目標に向かって最短距離で結果を出していく」という――。

※本稿は、大嶋祥誉『マッキンゼーで学んだ最高に効率のいい働き方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

黒板に旗と山を描くビジネスマン。
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「感情コントロール力」が仕事のパフォーマンスを決める

今、ビジネスパーソンに最も求められている能力は何だと思いますか? それは「感情コントロール力」です。

私たちは日常、さまざまな感情が湧き起こります。感情に振り回される人と上手にコントロールする人では、同じ仕事でも処理するのに時間がかかり、仕事の効率やパフォーマンス、成果にも大きな差が生じます。

誰でもイライラしたり不安になって、思うように仕事が手につかないということがあるでしょう。どんなに能力があり、スキルを持っている人物でも、感情が乱れていてはパフォーマンスを十分に発揮することができません。

余計な感情は物事を複雑にします。たとえば嫌いな上司の言葉は、いちいち心に引っかかります。普段ならすぐにこなせる仕事もなかなか集中できず、時間がかかったり出来が悪くなったりして、結果的にとても効率が悪くなってしまうのです。

感情が不安定だとコミュニケーションも難しくなります。それによって人間関係がギクシャクしたり、もめたりして、思うように仕事が進みません。

感情が乱れがちな人は何かにつけて滞り、ためらい、逡巡します。時間と労力を使う割に仕事が遅く、質も悪い。結果として評価が下がるのです。