ビジネスで感情をコントロールするにはどうすればいいか。元マッキンゼーでエグゼクティブコーチの大嶋祥誉さんは「私自身、マッキンゼー時代に心乱れ、悩みまくっていたことがある。しかし上司の『どうしたら問題を解決し、目標達成できるかだけを考え、実行すること』という教えを守ることで、変わることができた」という――。

※本稿は、大嶋祥誉『マッキンゼーで学んだ最高に効率のいい働き方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

海岸でヨガをする女性のシルエット
写真=iStock.com/Topalov
※写真はイメージです

マッキンゼーのエリートが大切にする平常心を保つ秘訣

マッキンゼーの先輩、コンサルティングやエグゼクティブコーチングのクライアントの方々や、ビジネスパートナーなど、これまで「仕事ができ、かつ人柄も素晴らしい」と感じる人が、何人かいました。

彼らはバイタリティに溢れ、分析力や判断力、決断力にも秀でている。しかも上司や部下、同僚からも信用されている――。

このような人物は、例外なく感情が安定し、穏やかでありながら、内には熱い情熱や強い気持ちを持っていました。

なぜ彼らはいつも感情が安定しているのだろう? 若い頃の私は、自分の仕事をこなすのに精いっぱい。彼らとは真逆で、不測の事態が起きたり、上司に注意されたりするたび、感情は乱れっぱなしでした。

「いつも穏やかで心乱れず仕事ができる秘訣は何ですか?」

あるとき自分の仕事のお手本であり、メンターとして尊敬していた上司に、尋ねたことがあります。その上司は即座に答えました。

「感情的になっても、悩んで思い煩っていても、仕事がうまく進むわけではないだろう。どうしたら問題を解決し、目標達成できるか? それだけを考え、ひたすら実行するだけだよ」

それまでの私は、自分の思い通りに仕事が進まないと、焦ったりイライラしたりしていました。イライラしても、仕事がはかどるわけではありません。ビジネスパーソンにとって、やるべき仕事は本来明確に決まっているはずです。