仕事でパニックになってしまう人の本当の原因

たとえば、仕事量が多くてどうしたらいいかと悩んでいるAさんがいたとしましょう。一種のパニック状態でストレスがたまり、しかも、自分には能力がないのだと自らを責めています。

暗い部屋で途方に暮れた男
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ここで、冷静に自分のすべての仕事を見渡してみましょう。すべての仕事を、同じ日時に仕上げなければいけないわけではないはずです。納期や締め切りによって、まずすぐに手をつけなければいけない仕事、後回しにしていい仕事があるはずです。

次に自分でやるべき仕事と、自分でなくてもできる仕事に仕分けしてみましょう。資料を集めたり、コピーを取ったりする仕事は人に振れるのなら、できる限り振ってしまいます。

自分がやるべき仕事の中で、優先順位の高いものから取りかかります。その際、悩んでも仕方がないこと、自分のコントロール不可能なことについては、一切思い悩んだりしないようにしましょう。

たとえば、企画案の内容のブラッシュアップを上司に頼んだとして、もはや頼んだ以上は「上司はあの企画書をどう評価しているだろうか?」「こうすればよかったかもしれない……」などと、悩んだところでどうなるものでもありません。

自分のコントロール不可能なものに対して思い煩い、時間やエネルギーを消費するのは無駄です。上司から企画書に対して何か言われたら、そのときに対処すればいい。

こうして目の前のやるべき仕事を、粛々とこなしていけば、最初に対応不可能だと思われた仕事の山も少しずつ切り崩されていき、やがて先が見通せるようになります。

私の知る限り、仕事のできる人たちはみな、このような手順でやるべきことを着実にこなしています。そこで、余計な感情を差しはさむことも、感情に流されることもありません。

マッキンゼーで学んだ、問題解決4つの基本原則

感情の乱れがちな人は、決してその人の持って生まれた資質や、性格によるものではありません。感情を問題化し、解決すべき課題に変えること。

ロジカルに分析することでモヤモヤした感情は解決できる問題に変わります。ここでマッキンゼーの問題解決の原則を説明しましょう。

【マッキンゼーで学んだ基本原則1】

――真の問題を見極める

たとえば、ミスの多いAさんがいたとしましょう。この問題を解決するためにBさんが、ダブルチェックをする。一見まっとうな解決策に見えますが、Bさんの負担が増えて結局ミスが出てしまうことも考えられます。

そもそも、なぜAさんがミスを連発するのか? 「真の問題」を明らかにし、それを解決することが大事なのです。

マッキンゼーでよく言われた言葉の1つに、「モグラ叩きをするな」というのがあります。

これは目の前に現れた問題に、とりあえず対応することです。たとえば「売り上げが伸びない」「新規開拓ができていない」「人材育成ができていない」など、1つの会社の中でたくさんの問題が出てきます。

その一つひとつをモグラ叩きのように叩いて対応していても、真の解決にはならないのです。というのも、それら個別の問題が起きる原因に、たとえば「組織内のコミュニケーションが取れていない」という共通の問題が潜んでいる可能性もあります。それが、真の問題だったりします。

その共通の問題を解決しなければ、そこから派生する問題を逐次解決しても、また新たな問題が生まれてくる。逆に言えば、その根本的な問題を解決すれば派生する問題がいっぺんに解決できるということでもあります。

感情コントロールもまさに同じです。「怒り」や「悲しみ」などの感情を、まずはしっかり意識化することが大切。その上で、表面的な感情にばかりとらわれず、その背後に潜む問題が何か、根本的な原因は何かを見極めることが重要なのです。