10倍株、100倍株を見つけるには企業価値を見極める必要がある。複眼経済塾塾長の渡部清二さんは「これから大きなテーマになるのはPLにもBSにも出てこない『非財務・人的資本』ではないかと思います」という――。

※本稿は、渡部清二『会社四季報の達人が全力で選んだ 10倍・100倍になる! 超優良株ベスト30』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

輪になって手を重ねるオフィスのチーム
写真=iStock.com/AnVr
※写真はイメージです

これから注目のテーマ「非財務・人的資本」

四季報2022年夏号』を読んで、私は「非財務・人的資本」がこれからの大きなテーマになっていくのではないかと感じました。

売上や営業利益、経常利益など数字化できるものとは異なり、人的資本、すなわち社員の技術や能力は現状では数字に換算されてはおらず、したがってPL(損益計算書)にもBS(貸借対照表)にも出てくることはありません。

その、現在視覚化されていない人的資本を見える化していこうというのが今回のテーマです。

私がこのテーマに気づいたのは、「四季報曼荼羅まんだら」を作ったときのことです。「四季報曼荼羅」とは、四季報を読みながら、久しぶりに見るワードや違和感を覚えたワードなど、気になるワードを、ノートにどんどん書き出したものです。

私は株式投資の世界を森羅万象としてとらえているので、気になるワードを抜き出したノートや紙が、私にとっての曼荼羅になるというわけです。

そのときに、少数ワードとして「人的資本」という言葉が4件、「人財」が2件、「非財務」が2件、というふうにポロポロと出てきました。全部、これまでに見たことのない新しい言葉です。

特に気になったのはこの銘柄でした。

リンクアンドモチベーション(2170)
<会社プロフィール>
【特色】組織・人事・IRなど経営コンサルが主柱
【倍増】柱の組織診断・変革サービスが大幅増。企業内個人向けDX支援も高成長
【開示コンサル】23年から開示義務化見通し、人的資本情報の開示コンサルティングを開始

※『会社四季報』2022年4集秋号より

四季報コメントにこれまでにない新しいものを発見

この会社は組織・人事・IRなど経営コンサルを主柱とした会社です。コメント後半の文言に私はそれまでにない新しいものを強く感じました。1つ前の四季報のコメントを抜粋してご紹介しましょう。

【人的資本】日本で初めて人的資本に関する情報開示のガイドラインの認証を取得
人的資本マネジメントを加速。人材開発領域の新サービスを6~7月に提供開始。

※『会社四季報』2022年3集夏号より