岸田内閣が国策として人的資本分野に注力

そこで調べていったところ、非常に大きなテーマであることがわかったのです。

まず、岸田内閣が国策で人的資本についていろいろと指示していることがわかりました。岸田内閣は主要政策として次の4つを挙げています。

①新型コロナ対策
②新しい資本主義
③外交・安全保障
④災害対応

キーワードは「人的資本可視化」

このうち、②の「新しい資本主義」を見て見ましょう。

岸田首相は新しい資本主義の実現を目指すとし、その実現のためには企業の成長と、その成長の果実としての分配をしっかりと行うことで、次の成長が実現すると述べています。

つまり、成長戦略と分配戦略の両方を実現することで、「成長と分配の好循環」を作り出そう、というのです。

このうち分配戦略には、

①所得の向上につながる「賃上げ」
②「人への投資」の抜本強化
③未来を担う次世代の「中間層の維持」

の3つの柱がありますが、ここで私が着目したのが②の「人への投資」の抜本強化です。

さらに調べていくうちに、新しい資本主義実行計画工程表(22年6月7日):「人への投資と分配」という資料に行き当たりました。

その中に「⑥人的資本等の非財務情報の株式市場への開示強化と指針」というものがあったのです。工程表(図表2)を参照してください。「人的資本可視化」とか、「人的資本に関する企業の取り組みの見える化」といった言葉が繰り返し出てきます。

なるほど、このような国策としての「人的資本の株式市場への開示」がベースにあるがゆえに、リンクアンドモチベーション(2170)の「人的資本に関する情報開示ガイドライン」や「人的資本マネジメント」が世の中に求められるのだな、と得心した次第です。