大手出版社が苦境に陥る中、宝島社は女性雑誌をヒットさせている。そのカギは商品やチャネルの意味を読み替える「視点転換」の巧みさにあると筆者は説く。
なぜ「書店チャネルは素晴らしい」のか
町中に書店がなくなって久しい。どこの商店街にも、2、3店はあったのではないだろうか。私が住んでいる高槻市の一番賑やかな商店街には、4軒の書店があった。しかし、何人かの店員さんを擁していた比較的大きい書店はすでになく、最近相次いで小規模の書店が消えた。費用が少なくて済む小規模書店でも経営が成り立たないのだろう。駅前の百貨店などに大手チェーンの2店のみという状態になっている。しかし、その大手書店チェーンも、決して経営は楽ではなく、経営統合が始まっている。若者の書籍離れに加えて、書籍通販に市場を奪われて、書店業は典型的な衰退業種になっている。
その中で、書店を新たなチャネルとし、女性雑誌をヒットさせている会社がある。宝島社である。同社は、雑誌の付録に有名ブランドのアイテムを付けて販売している。というより、私には、ブランドアイテムを売るために雑誌を発行しているように見える。「ブランドムック」と呼ばれる商品である。これが大ヒット。私は、ブルックスブラザーズ・ブランドのトートバッグをもっているが、しっかりして使いやすく重宝している。
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