仮に、相手と似たような意見しか思い浮かばなかった場合には、相手の発言をインクルード(包含)するような意見にします。例えば、社内会議で誰かが、「自分たちのチームの売り上げを上げていくべき」と口火を切ったとしましょう。

この場合のインクルードする意見とは、「最大の目的は自社の利益を最大化していくこと。それが結果として、チームの売り上げアップにつながります」あるいは「地域全体で協力体制を取ることを念頭においた営業活動にすべきです。その過程で、チームの売り上げもアップしていくはずです」といった内容です。

“デキる人”と思われる「発言のタイミング」

より大きな枠組みで最初の意見を包み込むことで、あなたのほうが大局観を持っていると周囲に知らしめることができます。結果、会議での主導権はあなたのもとに移るでしょう。

犬塚壮志『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』(サンクチュアリ出版)
犬塚壮志『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』(サンクチュアリ出版)

最後に、もし会議のテーマが自分から最初に発言するのに不向きな専門外のテーマや難易度の高いテーマだったときはリスクをとらず、別の作戦を。こうした場合、むしろ会議の最後に発言しましょう。

司会が「他にもう意見はありませんか?」と投げかけたとき、他の人からの発言がなさそうな状況を確認して「それでは最後、私の意見としましては……」と切り出し、最後のポジションを陣取ります。

すると、別の心理効果「ピーク・エンドの法則」というものが働き、会議の出席者にあなたの意見を強く印象づけることができるのです。

ぜひ、「円卓のナプキン理論」や「ピーク・エンドの法則」といった交渉術を使って、会議の主導権を握ってください。

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