結論を促さなくても「終わらせる流れ」を作れる

「議論が煮詰まってきたので、いったんこれは寝かせておいて、次の話題に移りませんか?」
「そろそろ時間ですので、次回のミーティングに向けた話をしませんか?」

と、あなたから切り出します。

また、「いったんここまでのことをまとめてみませんか?」と伝えることで、散らかっていた話し合いを、収束に向かうように流れをシフトさせることもできます。直接的に結論を促すとせっかちな人と思われそうですが、終わらせる流れをさりげなく作ることで間接的に会議を切り上げることができるのです。

会議の場で挙げられた手
写真=iStock.com/artisteer
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このように、あなたが先に発言して主導権を握ることによって、会議や打ち合わせそのものの質を高めることができます。意見がまとまらないことによるストレスや、イライラすることも減るでしょう。

ビジネスシーン以外でも、例えば、マンションの住民会でリーダーシップをとらないとまとめられなそうなときには「いったんここまでのことをまとめてみませんか?」と発言することで、ダラダラと続いていた話し合いを仕切り直すことが可能です。

ちなみに、一番はじめに発言することだけを目的にしてしまうと、焦りから中身のない意見や的外れな意見を出してしまい、場の空気を壊してしまいかねません。自信を持って最初に発言するためにも、普段からそのテーマについて深く考えたり、事前に調べておいたりして、自分の発言の精度を高めておきましょう。

もし他の人の先手で会議が迷走したら…

とはいえ、いつもいつも口火を切れるわけではありませんよね。他の人に先手を奪われてしまって会議が思わぬ方向に進みそうであれば、すぐさまそのあとにあなたの意見をかぶせるようにしましょう。

そのときの意見は、あえて先手を取った相手の意見とずらし、異なる視点の話にすること。すると、場の空気がリセットされ、擬似的にあなたの意見からリスタートするような状況を演出することができます。

枕詞として「ずれた発言だったら申し訳ないのですが」「少し違った観点からの意見で恐縮なのですが」とつければ、最初に発言した人や周囲の人たちからの反感を買うことも少ないでしょう。