彼らは決して逃げることはしなかった
――絶体絶命ですね。
【村井】これはもう自分もクビをくくるしかないな、と。パフォーム社のCEO、ジェームズ・ラシュトンも日本にいたので、すぐに記者会見を開きました。彼らは日本で謝罪会見などやったこともなかったので「最初にお辞儀して、5秒間そのままで」と日本の流儀を教えて、何が起きたかを説明してもらいました。
パフォーム社はすべての画像データをロンドンのクラウドにためて世界に配信していたのですが、そのシステムの一部に障害があった、という話でした。彼らは決して逃げることはせず、むしろ積極的に情報開示をしてくれました。天日干しの精神です。本当に信頼できるパートナーになっていくのです。
波乱含みのスタートでしたが、その後はご存じの通り。今ではDAZNでJリーグの試合を見るのが当たり前の光景になりました。いつでもどこでも、どんな端末でも多くのスポーツの試合が見られるなんて、サドラー氏と出会った2014年には想像もできませんでしたが、彼の「待ち伏せ」から新しい世界が開けたことになりますね。