楽天は12月から楽天市場のポイント還元プログラム(SPU)を改訂する。それに対し、ネットでは「ポイント改悪」という激しい反応があった。ジャーナリストの大西康之さんは「日本に楽天が存在しなかったら、アマゾンのサブスク料金やスマホの通信料などは、もっと高くなっていただろう。『ポイント改悪』がここまで話題になる理由を考えたほうがいい」という――。
楽天ポイントの改訂は「改悪」と言えるのか
楽天グループが12月1日から、楽天市場のポイント還元プログラム「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」を改訂する。大まかには楽天モバイル利用者の還元率を引き上げ、その分、楽天市場や楽天カードの還元率を下げる内容だ。例によって、ネット民たちは激しく反応している。
「過去最大級の改悪。楽天経済圏は崩壊しました」
「楽天さん、今までお世話になりました」
プログラムの改訂を発表した11月1日以降、X(旧Twitter)ではこんな書き込みが溢れた。
11月9日、楽天グループの決算発表記者会見でも質問が出た。
「ネットでは改悪、改悪と大騒ぎになっていますが」
楽天グループ会長兼社長に三木谷浩史は苦笑いしながらこう言った。
「何かを変えると、必ずそういうことが起きる。楽天経済圏を使ってもらっている8割の方にとっては、お得になる改訂だと試算していますが、そうでない人がいるのも事実。丁寧に説明していきます」
楽天モバイルユーザーを優遇する試み
ここで楽天のSPUについて簡単に説明しておこう。
楽天市場会員の還元率は1%(これを楽天では「1倍」と呼ぶ)。つまり1000円買うと10ポイントがつく。このポイントは楽天の各種サービスで10円として使える。これが基本だ。
楽天市場以外のサービスを使うとSPUで還元率が上がっていく。例えば楽天カードに入ると「ポイント2倍」となり、楽天市場の1倍と合わせて3倍になる。還元率は3%になり、1000円の買い物に対して30Pがつく。