仕事のできる人になるには、何をすればいいか。立命館アジア太平洋大学前学長・名誉教授の出口治明さんは「与えられた課題を『完璧』にこなすのが『仕事のできる人間』ではない。『儲ける』ためには、かぎりある時間の中でどれだけ新しい価値を生み出せるかが勝負になる」という――。

※本稿は、出口治明『誰も行ったことのない場所へ行こう。そして誰もやらなかったことをやろう。』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

時間とビジネス管理の目標のイメージ
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プライベートより仕事の方が簡単

どうすれば仕事ができる人間になれるのか。
答えは簡単です。スピード。とにかくスピードです。

人生で大切なのは3割以下の仕事よりも、7割以上を占める生活のほうだ――そんな話をしましたが、社会人としてスタートを切ったばかりのあなたは頭の中の9割ぐらいを仕事のことが占めていそうなので、まだピンとこないかもしれませんね。それぐらい仕事に対して意欲的なのは、もちろん、すばらしいことだと思います。

それでは、その仕事の話をしましょう。

プライベートにくらべれば「どうでもいいこと」とはいえ、そのプライベートを経済的に支えてくれるのは、仕事で得る給料です。

お金だけで幸福度が決まるわけではないとはいえ、やっぱり収入は多いほうがいいでしょう。会社員なら、「仕事のできる人間」になって出世すれば、給料は増えます。

では、どうすれば「仕事のできる人間」になれるのか。まだ経験の浅いあなたは、与えられる課題がどれもこれも難しいもののように感じられてしまい、自信が持てないかもしれません。テキパキと仕事をこなす先輩社員の姿を見て、「自分はどうしてこんなに仕事ができないんだろう」と落ち込むこともあるでしょうね。

でも、じつは仕事なんて簡単です。少なくとも、人生の7割を占めるプライベートな生活ほど、仕事は難しくありません。

なぜなら、まず仕事には誰も否定できない明確な目的があります。それは「儲ける」ことです。利益を出すことを目指さない仕事はありません。

プライベートな生活には、そこまで明確な目的はないでしょう。確固たる「人生の目的」を持っている人もいるとは思いますが、それは人それぞれです。でも仕事の目的が「儲ける」ことであるのは、人それぞれではありません。

目的がはっきりしていれば、考えるべきは「そのためにどうすればいいか」ということだけ。明確な目的のないプライベートな日々を「いかに生きるか」と考えるより、よほど簡単な話です。自分たちの事業で「儲ける」ために、「数字・ファクト・ロジック」を使って合理的に考えれば、どうすべきかは自ずと見えてくるでしょう。