生産性を高めるには、とにかくスピード
では、生産性はどうすれば上がるのか。これも、考え方はとてもシンプルです。
あなたが文系学部の出身だったとしても、初歩的なニュートン力学ぐらいは教わったことがあるでしょう。物理学には「運動量」という概念がありましたよね? それを表わす式は、こういうものでした。
〈運動量=質量×速度〉
つまり質量が同じなら、速度が大きいほど運動量が大きくなる。逆に速度が同じなら、質量が大きいほど運動量は大きくなります。
運動量とは「動いている物体の止めにくさ」のことですから、日常的な言葉でいうなら、それが大きいほど「インパクトがある」ということになるでしょう。
仕事にも、これと同じような式が当てはまります。社員の生産性は、いわば運動量のようなもの。これが大きいほど、会社の「儲け」に対するインパクトが強いといえるでしょう。その計算式は、こうです。
〈生産性=仕事量×速度〉
つまり、仕事量が同じなら、スピードが速ければ速いほど生産性が高まるということです。与えられた課題はすでに量が決まっていますから、それを速くこなす人のほうが生産性が高く、「仕事のできる人」と評価されます。
そういわれると、あなたはこう思うかもしれませんね。
「仕事は量も大切だけど、質も問われるのでは?」
たしかに、速くても雑な仕事より、時間をかけた丁寧な仕事のほうが高く評価されるような気がするでしょう。「拙速」という言葉もあります。
でも、仕事に使える時間は無限ではありません。「儲ける」ためには、かぎりある時間の中でどれだけ新しい価値を生み出せるかが勝負になります。
量を増やしたほうが、「儲ける」チャンスを逃さない
とくにいまの社会は変化が激しいので、じっくり時間をかけて「完璧」を目指している余裕はありません。そもそも、自分の考える「完璧」は大局からみればこだわる必要のない点かもしれません。
あるいは、「完璧」にとらわれているうちに、時機を逸してしまうかもしれない。そういう意味でも、スピードを上げる必要がある。量を増やしたほうが、「儲ける」チャンスを逃さずにつかむ確率が高まります。
サッカーでも、打ったシュートがすべてゴールに入るわけではありませんよね? 「絶対に決めなければいけない」と思ったら、チャンスが来ても慎重になってシュートができません。
決まる可能性が低くても、積極的にたくさんシュートを打ったほうが、得点の確率は高まるでしょう。
それと同様、与えられた課題を「完璧」にこなすのが「仕事のできる人間」ではありません。たとえ仕上がりから6割の出来であっても、スピードが速ければ修正する余裕もできます。完璧主義は生産性を落とすことにしかならないと思ってください。


