「レインズ」の仕組みが両手取引を可能にしている
一方、レインズ情報の利用には制限がかけられます。
不動産情報を登録した不動産仲介会社が「広告掲載不可」に設定すると、他の不動産仲介会社はこの不動産を広告することができません。
不動産情報を登録しながら、広告掲載は拒否するのは、つまり不動産会社が物件を囲い込んで、両手取引を狙っているからです。
レインズはその仕組み上、物件の囲い込みと両手取引を可能にしているのです。
「日本の透明度」は世界12位
この事実は、日本の不動産市場が非常にアンバランスで、闇に包まれていることを示しています。
その結果、中古不動産の流通が抑えられ、新築だけが売れる、いびつな市場となっているのです。
欧米諸国に比べて、日本の不動産業界の透明性が低いという調査結果もあります。
世界中の不動産情報を収集するJLL(Jones Lang LaSalle)が2年ごとに発表する「グローバル不動産透明度インデックス」の2022年度の結果によると、日本の不動産業界の透明度は12位でした。
日本は近年順位を上げてきているものの、欧米諸国と比べるとまだまだ「不透明な不動産業界」と評価されているのです。
こうした問題が長年放置されているせいで、新築中心の業界構造が是正されず、不動産が思ったように売れずに悩む売主が後を絶たないのです。