私たちが不動産を買いたい/売りたいと思えば、まず不動産会社に相談することになります。顧客である私たちは、できるだけ安く不動産を買いたい、あるいはできるだけ高く不動産を売りたい、というニーズを持っています。

当然、不動産会社には、私たちのニーズをかなえてくれることを期待します。

しかし、不動産会社が最重要視しているのは、顧客の利益ではありません。

日本の不動産業界には、自分たちの利益を優先し、顧客の利益をないがしろにするような慣行がはびこっています。

そのため、不動産を売買しようとしても「割高な価格で買わされる」「本当は高く売れるのに、割安な価格で売られてしまう」というケースが後を絶たないのです。

顧客の利益をないがしろにする慣行がはびこっている
写真=iStock.com/SPmemory
顧客の利益をないがしろにする慣行がはびこっている(※写真はイメージです)

5000万円で売却のはずが、4700万円に値下げ…

実際にあったケースをご紹介しましょう。

Aさんは東京都台東区に築20年のマンションを持っていました。間取りは3LDKです。

子どもの独立をきっかけに、このマンションを売却して、夫婦2人向けのマンションに住み替えようと考えました。

大手不動産仲介会社に依頼したところ、担当者から5000万円という売却価格の提示を受けました。

Aさん自身で調べたところ、周辺の相場と比べても妥当な金額だと思ったので、販売を開始してもらうことにしました。

しかし、内見がまったくない状況がしばらく続きました。

販売開始から1カ月後、この不動産会社の担当者から、「価格を4700万円に下げれば、リフォーム前提ですぐに買うという業者がいる」と提案を受けます。

Aさんは、急いで売却する必要はないと思い、またこの不動産会社から売却を急かすような発言があったことから不信感を抱き、不動産エージェントに相談することにしました。