シンガポール、中国、香港……生産拠点のみならず、本社機能の一部も海外移転する製造業が急増している。この「大移動」は、国内雇用や下請け、そして日本経済にどのように影響するのか? 最前線をレポートする。

「(業績悪化による)責任の重さを痛感しています。新たな事業モデルをつくり、収益構造の変革を急ぎ、業績のV字回復を果たしていきたい」

2月3日、パナソニック東京本社。2012年3月期連結最終損益の赤字額が7800億円になると発表した記者会見の席上、大坪文雄社長は厳しい表情で言葉を紡いだ。記者たちからは、矢継ぎ早に厳しい質問が飛び交った。

業績予想を大幅に上回る赤字額は製造業として過去最大規模――。発表する大坪社長自身でさえ、予測の2倍近い赤字額という現実を前に、夢かうつつか半信半疑の状態だったのかもしれない。