「年の差夫婦は離婚しやすい」の内情
「おもしろうてやがて哀しき年の差婚」
先日亡くなったザ・ドリフターズ(以下ドリフ)の仲本工事さん(享年81)の妻に関する記事を週刊誌で読みながら、こんな言葉が口をついて出てきた。
私は、年の離れた夫婦が不幸になると思っているのではない。むしろうらやましい。
11月末で私も喜寿になる。仲本さんや加藤茶さん(79)のように、30も40も年の離れたカミさんと紅葉狩りにでも行って、帰りに、うまい蕎麦をたぐりながら酒でも酌み交わしたらどんなに楽しいだろうと思ったことはある。
だが、そうした穏やかな生活はそう長くは続かない。老いていく身の哀しさに震え、自分がいなくなった後の妻の人生に思いを馳せ、身悶えする夜をいくつも重ねることだろう。
米国アトランタにあるエモリー大学の教授が行った調査によると、夫婦の年齢が1歳違うと離婚率は3%高くなる。年齢差が5歳になると18%、10歳で39%、20歳以上では95%になるという統計があるそうだ(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、2014年11月13日付)。
どこまで信用できるのか疑問だが、この95%という中には、年下の相手のことを思って別れるというケースが少なからずあるのではないか。
年をとってからではなく、まだ、再婚できる年齢のうちに相手を自由にしてあげようと考え、お互いが了解しあって離婚するのだ。相手が次の幸せをつかむまでの金銭的保障をすることはいうまでもない。
「オイラが死んだら再婚して」と言われた45歳下の妻
加藤茶さんの妻・綾菜さんは45歳下である。結婚当初、「遺産目当てではないか」と週刊誌で何度もバッシングされたことがあった。彼女もつらかっただろうし、夫のほうも精神的に落ち込んだようだが、今はおしどり夫婦としてテレビにも出て活躍している。
彼女は自著『加トちゃんといっしょ』(双葉社)の中で、こんなことを書いている。
テレビに出ている夫が、「奥さんには、オイラが死んだら、絶対に再婚してほしいんですよね」といったのを聞いて彼女は、「えぇーーー⁉ なんで⁉」と声を上げてしまったという。
それからことあるごとに、「再婚して幸せになってほしい」というようになったそうだ。だが彼女は、この先、加トちゃん以外の男性と結婚する可能性があるのかを考えてみるが、再婚する気はゼロだという。
「なぜなら、もうきっと一生分、加トちゃんに尽くすから。別の人に、同じだけ尽くすのは無理じゃ(笑)! という気持ちです」
そして夫がいなくなったら、「あとはひとりで気ままに生きていくことが、いまのわたしの等身大な未来です」というのだ。