部下をまとめ上げる鍵が大義名分

チームビルディングは属人的なものではないので、いきなり、「これからチームを作ってください!」と言われても簡単にできるものではありません。本来であれば、「チームをどう作るか」は、会社が教えなければならないノウハウです。

上念司『論破力より伝達力』(扶桑社)
上念司『論破力より伝達力』(扶桑社)

業種や職種によって最適化したチームの作り方もあるはずなので、会社の経営者たちが管理職に対して、「だいたいこういうふうにやれば、標準的なチームを作れます。だから、こんなふうにチームを作ってください」と伝える努力を怠ってはいけないと私は思います。

基本的には、どんなチームでも人々をまとめ上げるのに必要なのが、大義名分です。常日頃から、「なぜその仕事をやるのか」という動機付けを確認して、みんなをつなぎとめる必要があります。いま部下が言うことを聞いてくれないのであれば、お互いの目指すべき大義名分が共有されていない可能性が高いです。

本来、上司は大義名分で人々を引き寄せていくべきですが、長いこと時間をかけて作り上げられたチームや組織構造にいる限りは、ある程度努力を怠っても決定的な崩壊を迎えることはありません。

日本の大企業にダメな上司が多い理由

日本の大企業にダメな上司がたくさんいる理由が、まさにこれです。大企業の場合は何十年もかけてシステムがきちんと練られているので、経営層や上司が意識しなくても、そこそこチームがうまく回る。だから、上司は部下の問題解決やチームビルディングを怠り、管理業務にばかり精を出し、ケチをつけるだけの存在になってしまうのです。

もっとも上司が努力せずに部下を放置し続ければ、チームは壊れていきます。話を聞く準備ができていない人に話をしても伝わらないのと同じように、チームができていないのにいくらノウハウを語っても何も実現できないからです。

結局、大企業の場合はチームが育っていないので、時に間違った方向に進み、ある日、突然、学級崩壊と同じ現象が起こるのです。東芝のような大企業の不正会計問題は、まさに最たる例だと言えるでしょう。

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