そもそも儲かるビジネスモデルを持っているか

では、なぜ自分の部下は結果を出せないのか? 答えは簡単です。それは、管理職側の指導に問題があるからです。そもそも、管理職のポジションにいる人間が結果を出せるのでしょうか? 自分でできないことをどうやって他人に指導するのか、本当に謎です。

結果を出すためには、そもそもその会社に儲かるビジネスモデルが存在している必要があります。それをみんなで共有し、それぞれの役割を果たす。結果を出すために必要なのはこれだけなのですが、日本の会社にはこれを阻む様々な要因があります。

たとえば、私のように新卒1年目で入社した会社がそもそも儲かるビジネスモデルを持っていなかったという悲劇的なケースもあります。私が入社した日本長期信用銀行という銀行は、高度経済成長期に必要とされた長期資金を重厚長大産業に貸し出すことを主な使命としていました。

就活生では見抜けなかった、会社の価値

ところが、私が入社した1993年には高度経済成長なんてとっくに終わって20年もっていました。大蔵省の金融規制の緩和が遅々として進まなかったせいで、古い規制のなかでたまたま生き残っていた。しかし、かつては名門銀行だったので就職ランキングだけは高かった。残念ながら就活をしていたときにそれを見抜く知識はありませんでした。

会社の歴史的意義がすでに失われている場合、社員や管理職がいくら頑張ってもそれを逆転することはできません。もっと儲かっている会社に早めに転職することをおすすめしたいと思います。

私が勤めていた日本長期信用銀行が破綻して国有化されたのは1998年です。それから約14年の間、日本は物価上昇率がマイナスに沈むというデフレを経験しました。

2013年から始まったアベノミクスのおかげで、物価はデフレ状態を脱しました。その間、生き残った会社というのは、何らかの儲けるためのビジネスモデルを持っていたと言えるでしょう。いま、あなたが会社勤めをしているなら、少なくともあなたの給料を払えるぐらいには儲かっている。儲けの仕組みがある、ということです。よかったですね。