負の連鎖をつくる「ダメ上司」の特徴

では、会社に儲けの仕組みがあるという前提で、管理職の役割を考えてみましょう。本来、管理職というのは、「儲かるノウハウを現場の人に指導できる人」でなければいけません。さらに、現状に応じてその仕組みを少しずつ改良し、問題解決をする人である必要もあります。そういう形で部下から頼られてナンボ。それが管理職ではないでしょうか。

しかし、残念ながらそうでない人もいる。「俺は管理職だから」と天狗になり、指導不十分な部下の結果を見てブチギレる。「失敗したのはお前のせいだ! 次にもっと気合を入れろ」と精神論をぶつける。「自分でどういう方法が考えられるか、きちんと考えてみろ」などと問題解決は部下に丸投げ。揚句の果てには、部下が持ってきたアイディアに対して、「こんなものダメに決まっているだろ」と却下して、やる気を削ぐ……。

部下にやり方をろくに教えないくせに、結果が出ないとチクチク嫌味を言うだけの上司が多すぎるのではないでしょうか。部下に問題を丸投げしたまま何の改善もしないで翌月を迎えるので、以前と全く同じ失敗を部下が繰り返し、結局、前月と同じ嫌味を言って終わる……。そんな負のループが循環しています。何の改善も進歩もありませんね。

無能上司がいる会社はまだまだ多い

逆に、管理職としては控えめすぎて全く覇気がなく、部下の言いなりになって問題解決を主導できない人もいます。そんな人が部下をまともに指導できるはずありません。

どちらのパターンも無能上司の典型です。私の周囲の人に聞くと、「こういう会社はまだまだ多い」とのこと。とても残念ですね。

管理職になった人の多くは、自分が部下だったときに上司から同じようなパワハラや放置プレイを受けたことを忘れたのでしょうか。「なんとか結果を出してこい」と丸投げされて、当然のごとく失敗。いま自分が言っている嫌味と同じことを言われて無駄な時間を過ごした経験を繰り返す。なんかダメな会社員人生だと思いません?

自分がかつてされたのと同じように部下にやって、負の連鎖をつくる。「独自のやり方を見つけろ!」と丸投げしたところで問題は解決しません。まさに小手先の言葉で人を動かそうとして失敗する典型的事例と言えるでしょう。