女性が管理職で採用されやすくなっている
30代後半以降の方を対象とする(対象に含む)求人では、「マネジメント経験」を求める割合が高まります。もちろん、高度な専門性を持つ方は「スペシャリスト」として活躍するチャンスもありますが、やはりマネジメント経験があれば求人の選択肢は増えるといえます。
しかしながら、これまでの日本企業の基本構造から、女性で管理職に就いた経験がある方は多くないでしょう。
そこで今回は、管理職経験がない方が、管理職・管理職候補のポジションへの転職を狙う場合、あるいは応募したい企業の募集要項に「マネジメント経験者優遇」などの条件がついている場合、どのようにアピールすればいいかをお伝えします。
前提として、今、女性は「管理職として採用されやすい」環境となっています。
2015年の「女性活躍推進法」施行以来、企業は「管理職に占める女性の比率の向上」を目指し、さまざまな施策を打ってきました。しかし、多くの企業が目標数値の達成に至っていない状況です。
2022年7月には、女性活躍推進法が改正され、労働者301人以上の規模の事業主に対し「男女の賃金差」の公表が求められることになりました。
企業にとっては、「女性従業員の給与アップ=昇進・昇格の推進」が待ったなしの課題となっているわけです。
こうした中、私たち転職エージェントにも、企業から「女性管理職を採用したい」という依頼が多く寄せられています。「管理職経験がなくても、素養があればOK」とする企業も多く、管理職を目指す女性には追い風が吹いているといえます。
マネジメントスタイルの変化が追い風に
他にも、女性が管理職として活躍しやすい環境になってきた要因があります。
それは「マネジメントスタイルの変化」です。
かつての日本企業では、強いリーダーシップを持つ「俺について来い!」タイプの管理職が多く見られました。ところが昨今の転職市場では、「サーバント型」「フォロワーシップ型」のメンバーマネジメントができる管理職が求められる傾向が強くなっています。
「サーバント型」「フォロワーシップ型」の特徴は、リーダーがメンバーを「引っ張っていく」のではなく、リーダーがメンバーを「支える」ところにあります。
メンバーが主体的に考えて行動し、個々の強みを発揮し、成長していくのをサポートするマネジメントスタイルです。女性の特性としても「人を育てることにやりがいを感じる」というタイプの方が多く、このスタイルは女性にマッチしていると思います。
さらには、コロナ禍以降、テレワークが一般化したことで、育児や介護などの家庭事情を抱える女性もマネジメント業務を担いやすくなっています。