書類選考で応募先の企業から「会ってみたい」と思ってもらうことが、転職の第一関門だ。転職エージェントの森本千賀子さんは「そのために重要なのが職務経歴書。しかし、せっかく素晴らしい経験や実力を持っているのに、それが経歴書から伝わらず、損をしている転職者は多い」という――。
履歴書を整理する人の手元
写真=iStock.com/ridvan_celik
※写真はイメージです

実力があっても書類選考で落とされるのはなぜか

本来なら採用される実力を持っていながら「職務経歴書」でそれが伝わらず、書類選考で落ちてしまうケースは少なくありません。面接に進める確率を高めるためにも、職務経歴書作成の「NG」と、強みを伝えるコツを知っておきたいものです。

今回は、職務経歴書作成における失敗パターンを基に、注意点と書き方をご紹介します。

ダラダラ長い経歴書は読まれない

30代以上ともなると、異動・転職などを重ねた結果、職務経歴の記載が長くなる方も多いでしょう。しかし、職務経歴書は読み手に負担がかからないよう1~2枚にまとめるのが基本ルール。だらだらと長くならないよう、応募先企業との関連性が薄い経歴については簡潔な記述で済ますなどして、コンパクトにしましょう。

異動や転職などにより、経験した企業・部署・担当職務が多岐にわたる場合は、1社目から時系列で記すのではなく、「直近」から書き始めることをおすすめします。応募先の企業は、あなたの最近の経験のほうに、より関心を持つことが多いためです。

また、これまで所属していた企業が、誰もが知っている大手企業ではない場合、「会社情報」も記載してください。「業種」「社員数」「売上高」「上場/非上場」などです。組織の状況がイメージできれば、その職種での仕事ぶりもある程度イメージできるものです。

経歴が多い場合は特に、職務経歴の記載に入る前に、冒頭に5行程度で自身の得意分野、応募先企業で生かせる経験・スキルなどのアピールポイントを伝えておきましょう。すると、読み手はどこに注目すればいいのかをつかんだうえで読み進めることができます。

「やったこと」だけでは伝わらない

女性は特に、自己アピールが苦手な方が多いと感じます。職務経歴書も、「こんな業務を担当した」だけで終えているケースが多数。自身が手がけた仕事の「成果」まで書きましょう。

例えば営業職であれば、「売上高」「新規顧客獲得数」などまで書く方もいますが、さらにプラスアルファが欲しいところ。「独自にどのような工夫をしたか」「自身の提案が受け入れられた結果、顧客がどのような利益や成果を上げられたか」といったエピソードも盛り込んでください。

成功体験からノウハウやナレッジを獲得していて、それが応募先企業でも再現できることが伝われば、面接へ進める可能性が高まります。