※本稿は、有川真由美『50歳から花開く人、50歳で止まる人』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
どうやって年下の同僚と接するべきなのか
40代50代でも「若い人たちとどう接していいかわからない」という声はよく聞かれます。
例えば、「新しい情報やIT系に弱い、無知な人扱いされる」「話しかけてくれない。下の世代で固まって、仲間外れにされている気がする」「まったく尊敬されず、見下しているような発言をされる」「昔の人、終わった人のような扱いを受ける」というように。
どの時代も世代間の分断はいくらかあるものですが、いまの時代は、先輩が後輩を注意しても「余計なお世話」となったり、反発されたりするような“冷たい上下関係”が生まれているようです。
「年上は敬わないといけない」という文化や、「年に関係なく、結果がすべて」という成果主義、社会構造の変化などが複雑に絡み合って、歪な“冷たい上下関係”はできているのでしょう。
「年下から話しかけるべき」と思ってはいけない
ただ自分のまわりだけでも心を開いて、心地いい関係をつくる方法はあるのです。
まず、年下の同僚とのつき合い方についても大切なのは、無理をしないことです。
話を合わせるのも、見栄を張るのも疲れるので、自然体でいきましょう。だからといって「若い人たちが自分たちに合わせろ」というのも傲慢な考えです。
ここは“冷たい上下関係”ではなく、“あたたかく対等につき合える関係”を目指してはいかがでしょう。
「話しかけてくれない」「尊敬してくれない」というのは、「年下から話しかけるべき」「年上を尊敬するべき」と思っているからです。
自分が年齢を意識しすぎているから、相手にもそれが伝わるのです。彼らよりも少し長く生きているだけの“ただの人”でいいのです。自分の息子、娘ぐらいの年齢でも、仕事ができる人は尊敬する。波長の合う人とは雑談を楽しむ。知らないことは教えてもらう……。70代80代でも、若い人たちとうまくつき合っている人は、そんな空気を醸し出しています。
肩の力を抜いているから、だれでも安心して懐に入っていけるのです。
年齢を意識する気持ちを取り払うと、自然にその場に馴染むようになります。「終わった人」と扱われず、なにかと頼りにされるようになります。
昨今は、上司が年下ということも多くなりました。相手が気を使っているときは、自分から「なんでも言ってね」と、ざっくばらんな空気をつくってあげましょう。