「若い人たちにどう接すればいいのか分からない」と悩む中高年には、どんなアドバイスが有効なのか。作家の有川真由美さんは「彼らよりも少し長く生きているだけの『ただの人』と意識するのがいい。話しかけられやすい雰囲気を作ることで、良い関係を構築できる」という――。(第2回)

※本稿は、有川真由美『50歳から花開く人、50歳で止まる人』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

スマホを見て悲しむ中年男性
写真=iStock.com/metamorworks
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どうやって年下の同僚と接するべきなのか

40代50代でも「若い人たちとどう接していいかわからない」という声はよく聞かれます。

例えば、「新しい情報やIT系に弱い、無知な人扱いされる」「話しかけてくれない。下の世代で固まって、仲間外れにされている気がする」「まったく尊敬されず、見下しているような発言をされる」「昔の人、終わった人のような扱いを受ける」というように。

どの時代も世代間の分断はいくらかあるものですが、いまの時代は、先輩が後輩を注意しても「余計なお世話」となったり、反発されたりするような“冷たい上下関係”が生まれているようです。

「年上は敬わないといけない」という文化や、「年に関係なく、結果がすべて」という成果主義、社会構造の変化などが複雑に絡み合って、歪な“冷たい上下関係”はできているのでしょう。

「年下から話しかけるべき」と思ってはいけない

ただ自分のまわりだけでも心を開いて、心地いい関係をつくる方法はあるのです。

まず、年下の同僚とのつき合い方についても大切なのは、無理をしないことです。

話を合わせるのも、見栄を張るのも疲れるので、自然体でいきましょう。だからといって「若い人たちが自分たちに合わせろ」というのも傲慢ごうまんな考えです。

ここは“冷たい上下関係”ではなく、“あたたかく対等につき合える関係”を目指してはいかがでしょう。

「話しかけてくれない」「尊敬してくれない」というのは、「年下から話しかけるべき」「年上を尊敬するべき」と思っているからです。

自分が年齢を意識しすぎているから、相手にもそれが伝わるのです。彼らよりも少し長く生きているだけの“ただの人”でいいのです。自分の息子、娘ぐらいの年齢でも、仕事ができる人は尊敬する。波長の合う人とは雑談を楽しむ。知らないことは教えてもらう……。70代80代でも、若い人たちとうまくつき合っている人は、そんな空気を醸し出しています。

肩の力を抜いているから、だれでも安心して懐に入っていけるのです。

年齢を意識する気持ちを取り払うと、自然にその場に馴染むようになります。「終わった人」と扱われず、なにかと頼りにされるようになります。

昨今は、上司が年下ということも多くなりました。相手が気を使っているときは、自分から「なんでも言ってね」と、ざっくばらんな空気をつくってあげましょう。