どのように年を重ねるべきか。自分の年齢や両親の介護を通して“老い”を考える機会が増えた。
少し前の老人は戦争や貧困を経験していたせいか、感謝や遠慮などの美徳を持ち毅然としていた。一方、豊かさの中で生きてきた私たちの世代は謙虚さが足りず、要求ばかりが多い老人になってしまうかもしれない。上手な老いを提言する本書の指摘は辛口ながら真っ当だ。
きちんと年を取るためには生活の第一線に留まることが必要。何歳であろうと周囲に過剰な依存をせずに、できることは一人でやる姿が理想だろう。
高齢者が増えれば世の中のデザインは変わる。それは家も同じ。老いを考えることは家づくりにもつながっている。