項羽と劉邦を、戦いの能力という点から比較してみよう。『史記』を見る限り、戦闘に勝利していたのは、常に項羽の方だった。

しかし、不思議にも最後に笑ったのは、弱いはずの劉邦――この理由を解く鍵が、「四面楚歌」の故事のなかにある。

ときは戦いの終盤戦、劉邦側の軍隊が項羽軍を追い詰め、完全に包囲していた。