出世のためには男たるものゴマすりも辞さず。いつ見ても自席におらず、気づくと喫煙室で上司に追従している。休日にはゴルフにお供し、もちろん中元、歳暮は欠かさない。今どきこんなわかりやすい人間いるのかと思うなかれ。彼らはゴキブリのごとく、しぶとくしたたかに生き延びている。
(PIXTA=写真)

【速水】ゴマすり男、いますよね。世のなかにゴロゴロ。それはそれでいいんじゃないですか。やって無駄ということはないと思いますよ。見ているとやっぱり「そこまでやるか?」ってくらいの人が出世していく。そのえげつなさも、案外直近の上司にはわからないもの。「かわいいやつだ」ぐらいの認識なんでしょうね。

【姫川】偉い人にはありえないほど腰が低く、自分より下の人間には恫喝まがいのことを平気でする。でもその相手がじつは偉い人繋がりだと知った瞬間、臆面もなくゴマすり開始。でもそれで成功するならいいんじゃないですか。

【北島】組織でゴマすりは普通でしょう。「君がやれ、俺が報告しておくから」が彼らのモットー。逆に部下がしくじったら「あいつです!」と即刻上司に報告。あっぱれですよね。

【姫川】上司への相槌は「さすがですね!」が基本中の基本。聞いているこっちが気恥ずかしくなるぐらい同じヨイショを何度も繰り返す。加えて、自分の弱みをさらけだしたりするのがいいようね。

【速水】結局どんな評価システムを取り入れても、判断するのは人間だから、自分に忠誠を誓う犬のポチはかわいいし、そうでない人間を疎むのは当然のこと。