コロナの重症化率は0.56%→0.04%、致死率は0.08%→0.01未満%
オミクロン株の感染はこれまでの変異株と比べ物にならない広がりを見せ、各地にまん延防止等重点措置が出されている。死者数も史上最高を記録する日も多い。
ただ、第5波での60歳未満の重症化率は0.56%だったが、今回の第6波では0.04%。また、致死率は0.08%から0%(完全に0ではないが0.01%未満)に下がっている。死者の大部分が重症者からの死でなくなり、地域によっては重症者が0人なのに複数の死者が出ることもある。
こうした数字を見るにつけ、私はこのオミクロン株が風邪に近づいているのではないかとの考えを持っている。
風邪のウイルスで肺炎になることはめったにないが、風邪をひくことで体力や免疫力が落ちて、細菌性の肺炎にななって亡くなることは寝たきりの高齢者などでは珍しくない。死因は肺炎と書かれるが、風邪をこじらせて亡くなったと言える状態だ。そうした事例を含め、風邪を契機に亡くなる方は少なくとも年平均2万人くらいいると私は推測している。
そのほか、脳卒中などで瀕死の状態の方が風邪をひいて、それをきっかけに容態が急激に悪化して亡くなることも少なくない。
日本は人口の29%以上が高齢者であり、要介護5(ほぼ完全な寝たきり状態)の高齢者が約60万人、90歳以上の高齢者も200万人以上いる。
年齢や病による体力の衰えもあり、ちょっとした風邪をこじらせて死にいたるリスクの人が極めて多いのだ。とすると、コロナウイルスがいくら風邪程度に弱毒化しても、感染力が強ければ、残念ながらかなりの数の死者が出てしまうことになる。
オミクロン株は無症状の人が多いため、自分では感染していると思わず検査を受けない人が非常に多いと私は推定している。さらに、PCR検査を受けて陽性になると自宅待機などで仕事を休むことが余儀なくされるので、感染が疑わしくても検査を受けない人も相当数いる。風邪に感染して無症状の人の数から類推するとおそらくは発表されている数の10倍近い感染者がいるだろう。
毎日、コロナ感染者数とともにコロナ死者数も発表されている。その際、例えば交通事故で亡くなった方でもPCR検査の結果、陽性と確認されれば「コロナ死」とカウントされている。強い感染力のオミクロン株の場合、風邪並みの毒性になっていても普通の病気や事故で亡くなる方(日本では1日4000人近くいる)の1割が感染していれば死者が1日数百人出てもおかしくないだろう。例えば、2月28日のコロナ死者数は238人だった。もちろん少ない数ではないが、そうした背景を考えれば日々の死者数に恐れおののくこともないのではないか。
少なくとも死者数でコロナを怖い病気と騒ぐのに疑問を呈する必要があるし、今のような規制が必要なのかも検討の余地はあるだろう。