コロナ禍で街中の公衆喫煙所が相次いで撤去・廃止されている。精神科医の和田秀樹さんは「タバコと同じように絶対悪と断じられ、今後、人々がささやかな楽しみを奪われかねないのがポルノや飲酒だ。社会がこれらを弾圧し完全排除をすると、ストレス解消ができずに心を病む人も増える恐れがある」という――。
木製の柵で区切られた東京都の喫煙所
写真=iStock.com/Christopher Tamcke
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相次ぐ公衆喫煙所の撤去・廃止に精神科医が感じること

タバコが体に害を与えることは明らかだ。だから、2020年4月1日には、望まない受動喫煙などを防ぐために、改正健康増進法なども全面施行された。

これに伴い、世の中の多くの場所で「原則禁煙」となったものの、喫煙ができる場所もある。飲食店においては、所定の要件に適合すれば、各種喫煙室の設置ができる。例えば、バーやスナック、シガーバー、そして、たばこ販売店、公衆喫煙所でも吸うことができる。

しかし、公衆喫煙所を管理する自治体や店舗が新型コロナ感染拡大を防ぐ目的で、こうした施設を次々に撤去・廃止している。2019年にはセブン‐イレブンが東京都内の店舗から灰皿を撤去する方針を打ち出しており、喫煙者にとっては駅前の喫煙所でもコンビニ店頭でも吸えず、逆風が吹き続けている形だ。

禁煙推進派は喜んでいるだろうが、タバコを吸わない私から見ても喫煙する人たちの肩身の狭さは、ちょっと気の毒に思うほどである。

前回、本コラムで、「高齢者の多いわが国においてポルノグラフィの効用は大きい」と書いた。体にいい影響を与える男性ホルモンを簡単に増やしてくれるツールだと考えているからだが、眉をひそめる人も少なくない。それだけでなく、最近はポルノグラフィへの“弾圧”とでもいうべき事態が発生している。