※本稿は、大橋しん『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
イメージするだけで脳が錯覚する
よい姿勢にしたい。そう思っても、体にこわばりがあってバランスが崩れていたりすると、自分でよい姿勢にするのは難しいものです。理学療法士に指導してもらえればいいかもしれませんが、毎回教えてもらうわけにはいきません。そこで私は、誰でも自分で簡単にできる方法を考案しました。
それが、魔法のフレーズです! 魔法のフレーズをとなえると、頭の中でイメージが生まれます。そのイメージは感覚的な体験をもたらし、本当にそうであるかのように感じられます。
脳は柔軟なので、それを実現しようとします。その実現させようとする過程で、体のかたいところがゆらいでいく、というからくりです。
たとえば、「梅干し」を口に入れるところを思い浮かべてみてください。「レモン」でもOKです。
口元の筋肉が緊張して、だ液が分泌されるのが感じられませんか? 梅干しやレモンを実際に口に入れていないのに、イメージしただけで脳が錯覚したのです。
こういうことを、姿勢で行うのが魔法のフレーズです。一般的に姿勢と結びつかない、ちょっと変なイメージもあるのですが、それは狙ってのこと。その意外性や驚きの力も借りて、ふだんの習慣からスルリと抜け出せるように設計しています。
具体的なやり方はこれから紹介していきますので、ぜひみなさん、これらのコツをつかんで、筋緊張を断ち切って、骨で立つ感覚をつかんでください。
そして、崩れてしまった姿勢や、不調・トラブルをリセットしていきましょう。
まずは気楽な気持ちで、これから紹介する魔法のフレーズを1つずつとなえてみてください。声に出さなくても大丈夫です(もちろん、声に出してもOK!)。
緊張のかたまりがとけて、背骨がスッと伸びていくのが感じられると思います。いつでもどこでも、どんな体勢でとなえていただいてもかまいません。立っていても、座っていても、歩いていても、仕事中でも、打ち合わせ中でも、家事や育児をしているときでも、何をしているときにとなえても、大丈夫です。
そもそも、姿勢は固定すべきものではなく、常に動きの中にあるものです。なので、改まった態度で「よい姿勢をつくろう!」と努力する必要はありません。日常生活の中で、ふんわりとラクにゆらぎ続けていることがとても大切です。