オーナーが所有車を持ち込むサーキットではない
ポルシェ車の日本輸入元であるポルシェジャパンが昨年10月1日、ブランド体験施設『ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京』(PEC東京)を千葉県・木更津にオープンさせた。
同センター内に作られたドライビングコースは、正しいハンドリングテクニックを学べる全周2.1kmのトラックをはじめ、あえて滑りやすい路面にしてオーバーステアやアンダーステア状態からの回避や修正方法を学べるショートコースや、アクセル全開状態からの急制動を体験できるエリア、倒壊した材木や40度の傾斜等が配された過酷なオフロードゾーンなど、計6種のドライバー育成モジュールからなる。
ただし、ポルシェオーナーが所有車をここへ持ち込んで走行することはできない。同センターに用意された約40車種の中から、利用者が選んだポルシェ最新モデルのハンドルを握り、コースを走りながら、助手席に同乗する専属インストラクターのレクチャーを受ける形だ。
PECは地球規模で展開されており、敷地面積43ヘクタールを誇るPEC東京は、世界で9番目の設立だという。
プレミアムな高性能スポーツカーメーカーであるポルシェが、なぜ各国にこのような施設を作ってきたのか。PEC東京副所長の関本清人氏が語る。
「『感動体験』『製品体験』『ブランド体験』をお客様に提供する場として、PECは開設されてきました。より具体的に説明すると、
・公道ではポルシェ車の性能の真価を存分に発揮できる場所がなかなかないので、PECのモジュール上で利用者にポルシェのエンジニアリングの核心であるパワー、レスポンス、安全性を体感していただく。
・ポルシェオーナーに対する、スポーツドライビング技術や危機回避技術などのレクチャーの場として。
・運転体験や施設利用を通じて、現在ポルシェオーナーでない方にも将来的な購買者になっていただく。
といった目的を持っています」(関本氏、以下同)