今、若者たちの間にはどんなニーズが生まれているのでしょうか。若者向け商品やサービスを企画する際に押さえておきたいポイントを、『Z世代』の著者である原田曜平さんが解説。おじさん・おばさん世代とはまったく逆の、Z世代が求める「ある要素」とは──。
退屈時間の増加でチャレンジ欲求がアップ
コロナ禍による外出自粛で、Z世代にとっては退屈な時間が増えました。この期間中、新たに若者の間に生まれたのが「チャレンジ欲求」です。以前なら手を出そうとしなかった物事に対して、「時間もあるしやってみようかな」と気軽に挑戦する、そしてその様子を投稿して楽しむ若者が増加しました。
人気の動画をまねて同じような動画を撮る、何となく憧れのあるYouTuberやセレブ、パリピ(パーティー・ピープル=パーティー好きな人々)の「ごっこ」を楽しむ、強いお酒は苦手でも少し背伸びして日本酒やバーで大人気分を味わう──。
2020年下半期から2021年上半期にかけてはこうした行動がトレンドとなり、「ごっこ」を盛り上げるお酒やパーティーゲーム、通常の仕様から若者向けにあえてハードルを低くした日本酒やバーなどがヒットしました。詳しくは以前の前回の記事「『インスタ映えはもう古い』アルコール離れする若者にお酒を売るたった一つの方法」をご参照ください。
加えて、友達と一緒にではなく一人でチャレンジできる行動、すなわち「ひっそりチャレンジ」のニーズも高まりました。例としては、人に気づかれずに自分の見栄えをよくしたい男子が家でメイクに挑戦する「隠れメイク男子」、健康対策として食事を植物性食品だけにしてみる「結果ヴィーガン」などが挙げられます。