コロナ禍の影響で一人の時間が増え、Z世代の中には自身のメンタルを顧みる人が増えています。若者の意識変化に詳しい原田曜平さんは「メンタルヘルスの分野でも新しいトレンドが生まれている」といいます――。
ノートを開いて、スマホを操作する女性の手元
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

ファッション感覚の強い瞑想

2020年下半期〜2021年上半期のZ世代のトレンドには、コロナ禍だからこそ生まれたニーズによるものが多く見られました。人に会えない生活から生まれた「友情確認ニーズ」(前々回記事参照)や、外出自粛で退屈な時間が増えたことによる「チャレンジ欲求」(前回記事参照)などもその一部です。

これらに加えて、一人の時間が増えたことで、自分と向き合いたいという「内省欲求」も高まりました。その表れのひとつとしてはやったのが瞑想です。これは瞑想している自分をSNSでアピールしたり、おしゃれなサウナ施設で静かに時間を過ごしたりするもので、真の瞑想とは違いファッション感覚が強いのが特徴。いわば「ファッション瞑想」です。

(写真左)ソロサウナtuneのエントランス。(写真右)ソロサウナtuneのシングルルーム。グループルームもある。
写真提供=ソロサウナtune
(写真左)ソロサウナtuneのエントランス。(写真右)ソロサウナtuneのシングルルーム。グループルームもある。

例えば、昨年11月にオープンした個室サウナ「ソロサウナtune」は、瞑想に適した場所ということでZ世代の人気を集めました。従来は、サウナといえば若者にとってはおじさんが行く場所。しかし、ここはスタイリッシュな内装や個室ならではのプライベート感を打ち出し、瞑想を口実におしゃれな空間を楽しみたい若者の心をつかみました。

同じくサウナでは、チームラボが手がけた「チームラボ&TikTok, チームラボリコネクト:アートとサウナ 六本木」も話題です。これは、サウナで自分を“ととのった”最高の状態にしてからアートを楽しむという、新しいコンセプトの展覧会。当初は今年8月で終了予定だったのが、好評により11月まで延長開催されることになっています。