「今、自宅を出ました」。なぜ、テレビの情報番組は秋篠宮眞子さまの婚約者・小室圭さんの言動を速報扱いするのか。皇室ウオッチャーのコラムニスト・辛酸なめ子さんは「この4年間、常に小室さんに関する情報が溢れていました。世の中は、小室さんを中心に回り、メディアなどに億単位の莫大なお金をもたらしている」と指摘する――。
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「小室さんが今、自宅出発」情報番組で小室圭さんが速報されるワケ

世の中は小室圭さん(29)中心に回っているのかもしれない……。ここ数年間の皇室関連のニュースを振り返るとそんな気さえします。

2017年5月、眞子さま(29)と婚約するというニュースのあと、マスコミが小室さんの元に殺到し、朝の情報番組などが「小室圭さん 自宅出る」とその一挙一動を「速報」扱いで紹介してから4年以上。10月17日、結婚前に秋篠宮さまに挨拶する日ということで、テレビの画面には朝から「小室さん 自宅出発」というテロップが。デジャヴュかと思いました。

ちなみに、前日は「自宅に美容師呼び、髪整える」という件もニュースになっていました。4年以上世間の注目を集め続けた小室さん。母親・佳代さんと元婚約者の男性との借金トラブルは暗礁に乗り上げたままになっていても、新聞・テレビ・雑誌・ウェブ……メディア上で累計億単位、もしかしたら何十億円単位のお金を動かしていそうです。もはやお笑い芸人やアイドルの比ではない、最強のコンテンツと言えるかもしれません。

「文藝春秋」(10月号)によれば、眞子さまは、宮内庁長官に対して「小室さんは素晴らしい男性です」と結婚相手として最適な存在であると直談判したと言われています。3年以上も遠距離恋愛していたらたいていのカップルは思いがさめてしまいそうですが、眞子さまの気持ちは変わらぬまま……。そしてこのたびついに結婚の運びとなりました。周りが全く見えなくなるほどの世紀の恋は、後年まで語り継がれるかもしれません。

皇室を敬愛するひとりの国民としては、小室さんの皇室利用疑惑や小室家のお金の問題、佳代さんの人脈など多くの心配な点がありますが、もう結婚が決まった今となっては、仕事も決まった小室さんのポジティブな可能性にも着目していきたいです。

宮内庁は10月1日、眞子さまが「複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)」と診断されたことを明らかにしました。ご自身や小室さんらを巡る批判や意見が“誹謗中傷”だと感じられたわけです。それ以来、本連載などでコラムを書いている私のところにもバッシングのコメントが多数寄せられていますが、眞子さまにお幸せになっていただきたいという気持ちは昔も今も、そしてこれからも変わりません。

ただ、皇室関連の人物ウオッチングを続ける私にとって小室さんは唯一無二の“逸材”だと感じるのです。今回の帰国でも、その片鱗を存分に発揮いただきました。例えば……。