コンピューターゲームで競い合う「eスポーツ」が人気を集めている。海外では年間賞金総額が233億円の大会もあるほど規模が拡大している。しかしゲーム大国の日本では、海外ほどの盛り上がりはない。なぜなのか――。

※本稿は、中村尚樹『最前線で働く人に聞く日本一わかりやすい5G』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

第2回全国高校eスポーツ選手権 決勝戦(EBiS303にて)
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第2回全国高校eスポーツ選手権 決勝戦(EBiS303にて)

国体の文化プログラムに採用された

eスポーツは、Electronic Sports(エレクトロニック・スポーツ)の略で、「コンピューターなど電子機器を使った競技」という意味である。Electric(エレクトリック)、つまり「電気」を使うという意味ではなく、あくまで「電子」上の競技である。ちなみにeが小文字になっているのは、決まりがあるわけではない。ただ、アップル社が自社のパーソナルコンピューターに小文字の「i」を冠した製品を売り出して人気を博したことにあやかって、小文字を使うようになったのではないかと、関係者の多くは見ている。

ゲームの種類は、1対1で戦う格闘技だったり、チームに分かれて陣地を取り合う団体戦だったりと、様々だ。具体的にはFPS(シューティングゲーム)、RTS(戦略ゲーム)、MOBA(チーム戦バトル)、格闘ゲーム、スポーツゲーム、パズルゲーム、カードゲーム、ソーシャルゲーム、スマートフォン向けゲームなどがある。

国内ではプロ野球やJリーグも、それぞれの競技をコンピューター画面上で競うeスポーツの大会を開いている。海外では野球のメジャーリーグ、サッカーのFIFA、バスケットボールのNBA、モータースポーツのF1など著名なスポーツ団体が、eスポーツに参入している。2019年から国体でも、文化プログラムとしてeスポーツが競技種目となっている。

2018年には既存のeスポーツ3団体が統合して「日本eスポーツ連合」(JeSU)が発足した。eスポーツ大会の普及活動や認定、プロライセンスの発行、選手の育成や支援などを行っている。